- 発語がない、喋らない
- ことばが遅れている
- 親のことばが理解できない、伝わらない
- 自閉症+知的障害のコミュニケーション方法に悩んでいる
自閉症や知的障害のお子さんとのコミュニケーションに悩んでいるママ、パパは多いのではないでしょうか。
娘も自閉症を伴う知的障害で、3歳である現在も、ほぼ発語がありません。
親のことばも理解できず、意思疎通に日々悩みながら試行錯誤しているところです。
この記事では、喋らない自閉症+知的障害の娘に試したコミュニケーション方法4つをご紹介します。
実際に試してみてどうだったか、習得までの方法、うまくいかなかった理由などの体験談も交えながらお伝えしたいと思います。
この記事がおすすめの方
- ことばを喋らない、ことばが遅れている自閉症や知的障害の子どもを持つママ、パパ
- どんなコミュニケーション方法があるのか知りたい
- 実際に試してみた体験談を知りたい
喋らない自閉症+知的障害児|おすすめのコミュニケーションを試してみた
「発語がない娘と、どうすればコミュニケーションを図ることができるのか」
「ことばを喋らなくても、お互い意思疎通できる方法を見つけたい」
そんな思いで、喋らない自閉症や知的障害の子どもにおすすめのコミュニケーションである
- ハンドサイン
- 絵カード
- 実況中継
- 実物をみせる
を実際に試してみました。
次に、この4つのコミュニケーションについて、
- 一般的な方法(やり方)とメリット
- 実際に試してみた結果(娘の反応)
- 我が家で実践していた方法やコツ
- うまくいかなかった理由
などについてご紹介していきます。
コミュニケーションその1:ハンドサイン

ハンドサインとは、簡単な手の動きやジェスチャーを言葉に添えて伝える方法です。
ハンドサインの一般的な方法(やり方)とメリット
| 方法(やり方) | メリット |
|---|---|
| 手順1 | 「ちょうだい」「おしまい」「もっと」「おいしい」などの簡単な動きを決める。 |
| 手順2 | ことばと一緒に、親もそのサインを繰り返し見せる。 |
| 手順3 | 子どもが少しでも手を動かしたら反応して褒めてあげる。 |
メリット
- 道具不要:道具がなくてもその場ですぐに意思表示が可能
- 癇癪軽減:伝わらないイライラが減り、癇癪の軽減につながる
- 発語促進:脳を刺激し「将来の発語」を促す効果が期待できる
ハンドサインを試してみた結果:2パターンの方法が定着した

写真は娘の食事の場面です。
親が「いただきますは?」と声をかけて、手を合わせるている様子です。
また、似たようなハンドサインで、
「ちょうだい」
「やって」
「開けて」
などを要求するときに、娘は両手をたたくサインで意思表示してくれます。
2歳〜2歳半頃から、この2種類がハンドサインとして定着しています。
ハンドサイン習得の方法
「いただきます」のサインの身につけ方
手順①:
まずは、子どもを椅子に座らせる、お食事エプロンを装着する、スプーン・フォークをテーブルに配置していおくなどの前準備を先に終わらせておきます。
手順②:
次に、実際の食べ物が乗った食器をテーブルに乗せますが、近づけすぎると子どもが手を出して食べ始めてしまう可能性があるため、話した場所に置いておきます。
手順③:
ゆっくりと「いただきます」と親が声をかけながら、手を合わせる仕草を見せます。
手順④:
娘が手を合わせることができたら、「はい!」と声をかけ、食器を近づけて自由に食べさせる。
「ちょうだい」「やって」のサインの身につけ方
手順①:
まず、子どもが「ちょうだい」「やって」などの要求するときには何かしらの「サイン」があるため、それを確認します。
娘の要求のサインは、
- 実物(もの)を親にもってくる
- 親の手を引いて要求を叶えられる場所まで連れて行く
- 奇声を発する
などでした。
手順②:
要求のサインがあった時に、親が「ちょうだいは?」「やっては?」などの声掛けを行う。同時に、してほしいハンドサインも見せる。
手順③:
子どもがしてほしいハンドサインを実行できたら、「はい」と伝え、要求をかなえてあげる。
娘の場合は、「手をたたく」ことが要求のサインとして定着しました。
ハンドサインの練習をする際のポイント
まずは、ハンドサインをしてほしい場面になったら、繰り返し親が見本を見せることです。「いただきます」のハンドサインなら、食事の時には毎回、親が手を合わせて見本をみせます。
もちろん最初からできるわけではないので、「3回試してみて、だめだったら次回トライしよう」くらいの気持ちでいいです。
できないからといって、ハンドサインができるまで食事をあげない、なんてことはしないようにしましょう。
できたときは大げさなくらいで褒めてあげてください。子どもは「これができたら褒められるんだ!」と認識し、その行動の定着に繋がるからです。
ハンドサインの課題:娘はまだ2パターンしかできない
それは、娘ができるハンドサインが現状、2種類のみでそれ以上増えないことです。しかも2種類とも「手を合わせる」「手をたたく」といった似たような動作になっています。
理由としては、今の娘の知的レベルでは簡単でかつ、似たような動作しか定着しなかったという背景があります。
もともと、「ちょうだい」などを要求するときのハンドサインは、左の手のひらに、上から右の手の甲をポンポンとタッチする動作で覚えさせようとしていました。
保育園を中心にその動作を試みていましたが、娘には難しい動作だったようで、療育施設からの提案で「手をたたく」動作にしたところ、それがハマったという経緯です。
また、「いただきます」のハンドサインの「手を合わせる」動作は、「手をたたく」動作に近いため、定着しやすかったことが考えられます。
コミュニケーションその2:絵カード

自閉症の子どもは「耳で聞く情報」よりも「目で見る情報」を理解することが得意な場合が多いです。
そんな子どもには、絵カードがおすすめです。
絵カードの一般的な方法(やり方)とメリット
| 方法(やり方) | メリット |
|---|---|
| 方法1 | 「おやつ」「公園」などのカードを見せながら「おやつ食べようね」「公園行こうね」と伝える。 |
| 方法2 | 2枚並べて「どっちにする?」と選ばせる。 |
| 方法3 | 手順を並べて「次にする事」を教える。 |
メリット
- マイペースでできる:記憶に残りやすく、形として残るので、子どもが自分のペースで情報を確認できる
- 癇癪対策:「見通し」が立ち、不安や癇癪、パニックの軽減に繋がる
- 要求の見える化:自分の要求を相手に正確に伝えられる
絵カードを試してみた結果:娘にはまだ難しい印象

食事やお菓子、トイレ、お風呂、保育園、療育先、着替え、歯ブラシ、おむつ交換など、実際の写真を印刷し、ボードに貼り付け、絵カード代わりに使用してみました。
食事の時間になったら、食べ物の絵カードを見せるというように、これから行うことの絵カードを娘に見せながら、何をするのか簡単なことばで伝えていました。
しかし、絵カードによって娘が次に行うことを認識できていたのか、正直今のところはよくわかりません。
少なくとも、例えば食べ物の写真を見せて、お食事エプロンをつけたり、椅子に座ったりするなどその絵カードに関連した動きはまだ今のところ見られていません。
絵カードに興味をもってくれるよう、リビングのおもちゃと一緒に絵カードを置いていますが、、娘はじっと眺めたり、絵カードを貼ってあるボードに並べたりする程度に留まっています。
絵カードがうまくいかなかった理由:ことばの理解の乏しさ
なぜうまくいかなかったのか、なぜ定着しなかったのか。
- ことばの理解ができない
- そのため、「絵カード」と「伝えたことば」の結びつきができない
- 結果、次の動作に繋がりにくい
このような理由があったのではないかと考えています。
本当の理由は本人のみぞ知るですが、「ことばが理解できない」娘にはまだ難しいコミュニケーションツールなのかもしれません。
絵カードはいずれ効果を発揮するかもしれない
現状、絵カードを用いたコミュニケーションは難しいですが、絵カードを試した中で見えた娘の反応は、将来、有効なコミュニケーションツールになる可能性があるかもしれないことを感じました。
それは、絵カードの中で、興味のあるカードを親に持ってきたことが数回あった出来事です。

私が自作した絵カードではなく、療育施設で販売されていた食べ物の絵カード(写真カード)で娘が遊んでいるときでした。
その当時、食べ物の絵カードを縦に重ねる遊びを好んでしていました。あるとき、その中から1枚だけ、私のもとに持ってきました。「じゃがいも」の絵カードでした。
じゃがいもが食べたいのか、真意は分かりませんが、何かしらの意図があって、じゃがいもの絵カードを自分で選び、親のもとへ持ってきた、という行為は、絵カードを用いたコミュニケーション方法の何かしらのヒントになるのではと感じました。
絵カードについては、諦めず、引き続きコミュニケーション方法を模索していきます。
コミュニケーションその3:実況中継
実況中継とは、子どもの今の動きや気持ちを、親が代わりにことばにしてあげる方法です。
実況中継の一般的な方法(やり方)とメリット
| 方法(やり方) | メリット |
|---|---|
| 場面1 | 子供が車を動かしていたら「ブーブー、走ってるね」と声をかける。 |
| 場面2 | お茶を飲んでいたら「ゴクゴク、おいしいね」と声をかける。 |
| 場面3 | 嫌がっていたら「嫌だったね、悲しいね」と代弁する。 |
メリット
- 安心感:「自分のことを見てくれている」という安心感が育つ
- 語彙力アップ:「今していること」と「言葉」が一致し、語彙の増加を助ける
- プレッシャーゼロ:子供に返答を求めないため、子供のプレッシャーにならない
実況中継を試してみた結果:真似しようとする時はある

ごくごくたまにですが、親がいったワードを娘が何となく真似して言うような場面はあります。
しかし、次回、同じ状況で同じ実況中継をしても、また真似をしてくれるわけではなく、再現性という意味では疑問が残っています。
療育施設でも、先生から時折、先生が言ったことばを真似して言うような様子があるとのことです。
普段から、娘が見ているものや行っている動作を「これ◯◯だね」「〇〇してるの」などと親が声に出して伝えるようにしています。
また、笑ったり、怒ったりしていれば「うれしい?」「怒っているの?」などのように感情を表すワードを伝えることもしています。なるべくシンプルで短いワードを実況中継するようにしています。
まだ、ことばの理解が難しいため、実況中継がどこまで娘に効果があるのか分かりませんが、
- ことばのシャワーを浴びさせる
- 模倣の練習
という意味では大切なことであると感じています。
コミュニケーションその4:実物を見せる

実物を見せる方法は、絵カード(2次元のイラスト)がまだ少し難しいと感じる子どもにおすすめです。
「言葉」や「絵」という抽象的なものではなく、実際の物を見せ、次の行動を伝えていきます。
実物をみせる一般的な方法(やり方)とメリット
| 方法(やり方) | メリット |
|---|---|
| 場面1 | おむつ替えの前に、 おむつを持たせ、ポンポンと触り「おむつ替えようね」と声をかける。 |
| 場面2 | お出かけの前に、「子どもの靴」を見せる。 |
| 場面3 | 食事の前に、子どもが使っているスプーンを先に見せて、これからご飯であることを伝える。 |
メリット
- 誤解がゼロになる:本物なので、見間違えや聞き間違いが起きず、確実な理解を促せる
- 先が見通せる: 次に何が起こるか伝わりやすく、「急にやらされた」感が少ない。切り替えのしやすさに繋がる。
- 理解促進:絵やことばが分からなくても直感的に理解しやすい
実物を見せる方法を試してみた結果:我が家では一番ハマった
娘が何か欲求してきたとき、「これかな?」とあたりを付けて、実際のものを見せてあげるという方法を取りました。
ことばでのコミュニケーション方法が難しい娘にとっては、「実物を見せる」方法が一番効果のある手法でした。
娘のほしい物が、実際に目の前にやってくると、発語はないものの、手をパチパチ叩いて「それそれ」「それちょうだい」と意思表示をして親に伝えてくれます。この流れが娘と親のコミュニケーションの定番となりました。
我が家で実践していた「実物を見せる」やり方(方法)
実物を見せるコミュニケーションのやり方として、我が家では次の手順で行っています。
- 子どもの要求をキャッチ
- 要求は何か目星をつける
- 「〇〇ほしい?」と声をかけながら実物を見せる
- もし違う反応を見せたら、「違うね」と声をかける
- 次の候補のものをみせる
- 子どもが欲しがったら「◯◯だね」を声をかけながら、ものを渡す
この中で一番難しいのは、「要求は何か目星をつける」ことです。経験則から、何の要求かすぐ分かるときもありますが、何を要求しているか怪しい時は、候補をいくつか用意していおくといいかもしれません。
「2択」「3択」から選んでもらう方法も効果的
2つや3つのものを実際に見せて、そこから選択させるという方法もおすすめです。
やり方(方法)はシンプル!
- 要求しているものとそうでないものを用意
- 要求がわからない場合は複数の候補を用意
- 子どもに「どっち?」「りんご味とぶどう味、どっち?」などのように声掛けを行いながら、実物を見せる
- 子どもに選択させる
- 子どもが受け取る時に「〇〇だね」と選択したものの名前も一緒に伝える
複数選択のメリット
- ポジティブな意思表示:一つの選択肢だと「違う!」「嫌だ!」というマイナスな意思表示もあるが、複数選択だと「これがいい!」というプラスの意思表示の練習になる
- 納得しやすい:自分で選んだという納得感が、安心につながる
- 癇癪対策:お子様の「自分で決めたい」という欲求を満たし、癇癪を減らす効果が期待できる
まとめ:コミュニケーションは子どものペースを大切に

自閉症や知的障害のお子さんは、「ことば」や「コミュニケーション」に問題があることが多く、日々悩んでいるママ、パパは少ないと思います。そんなご家庭に、今回紹介した4つのコミュニケーション方法はおすすめです。
試してみる中で、我が家のように「絵カードはまだハマらないな」「実物を見せる方法が一番効果がある」など、あなたのお子さんに合うもの・合わないものが見えてくると思います。
合わないものがあったとしても、落ち込む必要はありません。今は合わなくても続けていれば身を結ぶもの、時間を置いて再度試してみたらハマるものもあるかもしれません。
子どものペースで進めていけばいいのです。
本記事が、自閉症や知的障害の子どもとのコミュニケーションに悩むママ、パパの参考に少しでもなりましたら幸いです。

